2006年04月29日

中学受験と感動?

いまいち調子の悪いカイトです.
コメント,毎日大事に読ませていただいています.お返事できていなくてすみません.

以下は赤キャベツ液の記事を書いたとき,続編のために残しておいたメモです.走り書きレベルなので意味不明かもしれませんが,そのままコピーします.


感動はえぐい体験だ.
全身の細胞が飛び起きるような.
本当に心臓を鷲掴みにされるような.

感動をありがとうなんてナンセンスだ.
感動したら言葉は出てこない.

忘れてしまうのは,爪痕が残らないからだ.
痕跡は消えない.
痕跡を残さなければならない.
痕跡を残す爪がなければならない.
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2006年04月27日

教育はギブアンドテイク

3000m級の山に登って足が棒になる夢を見たカイトです.


とある中学受験系ブログの管理人さんに深夜メールが届いたそうです.曰く,これこれの問題がわからないから教えてほしいと.名乗りもせず本当にそれだけだったとその管理人さんは憤然としていらっしゃいましたが,一応解き方と答えを返信したとのことです.

宿題がわからない子どもだったのかもしれません.それにしても人にものを聞く態度がなっていませんが.私にこんなメールが来たらやっぱり嫌な気分になるでしょう.質問を受けるのは別に嫌ではありませんが,ブロガーは使いっ走りじゃありませんからね.

自衛(?)の意味もこめて,私だったらどう返信するかを考えてみました.

「はじめまして,カイトです.

メールでいただいた問題ですが,どれぐらい考えてみましたか?何分,何時間,あるいは何日間でしょうか.

その間にあなたは何をやってみましたか?
不正行為とあてずっぽうでなければ,あなたはその問題をどう考えても構わないのです.いくつか例をあげてみる,何かつかめるまで書き出してみるなど,答えを出すためにできることはたくさんあるはずです.どこまでやってみましたか?

私に質問したいということなら,問題だけでなく,あなたが何をどこまで考えたかを書いて送っていただく必要があります.あなたにどれだけその問題を解こうという意志があるのか,どこまで考える力があるのかを私に示してください.そうでなければ,私も適切なアドバイスをすることができません.

上に書いたとおり,まったく手のつけどころのない問題ではありません.これが今あげられる最大のヒントです.これでももし何も書けることがないとしたら,あなたにはまだその問題は早いです.もっと基本的な問題をたくさん解くべきでしょう.

門前払いをする気はありません.次のメールを待っていますからもう少し頑張ってみてくださいね.

カイト」

こんなところかな.これでもしこちらの意図を汲んだメールが送られてきたら,そのときは私も喜んで誠意を見せましょう.


教える vs. 教えられるの関係は,ギブアンドテイクです.教える側,教えられる側の双方がギブアンドテイクだということです.

ジャンパーなどのチャック(ジッパー)って両側に凹凸がありますね.両方に凹凸があって,その間隔や深さが一致しなければかみ合いません.お互いのニーズに合った凹凸の繰り返しによって初めてチャックがちゃんとしまるわけです.

私の塾では授業のはじめに「お願いします」,最後に「ありがとうございました」の挨拶をします.これからチャックをしめますよ,ちゃんとしめることができましたという意味があると思います.6年にもなると形骸化していますが,大事にしたいものです.
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2006年04月05日

驚き 桜の樹 赤キャベツ液

一昨日,東京は暖かく風の強い日でした.そのお昼どきにあった出来事です.

電車に乗っていると,大きな橋を渡る区間に強風のための速度規制がかかっていました.自転車より遅い速さでのろのろと進む電車から外を眺めていて,目に飛び込んできたのは満開の桜並木.ここ数年お花見にも行っていないので,こんなにじっくりと桜を見るのは久しぶりです.

これはおかしいな,という気がしました.
いたって普通の桜です.薄ピンクに覆われた桜の木.それが強風に揺れ,ぱーっと舞い散る.春先のよくある光景のはずです.
しかし.綺麗なんだけども喜べない.異様だ.なぜ?だってこの木々のこの色は.この光景は.寒気に近い,軽い恐怖にも似たものを覚えながら,ただぽかーんと眺めていました.

電車が桜並木を通り過ぎ,速度規制を抜けてから,ふとあの桜並木の下には屍体が埋まっていなければいけないなと考えました.梶井基次郎『桜の樹の下には』のことです.家に帰ってから読み返してみると,改めて心の中で何かがすとんと落ちる感じがしました.

(ちなみに梶井は著作権が消滅しておりこちらで読むことができます.)


この小さな非日常から,かつて中学受験の勉強の中で色彩に衝撃を受けた経験を思い出しました.

理科の水溶液の単元を勉強していて,試験薬の色の変化が覚えられないということがありました.BTB液は酸性だと黄色といった類のものです.自宅学習だったため語呂合わせで覚える方法も知らず,苦戦していました.

何日たってもなかなか頭に入らないのを見かねたのか,普段学習内容を教えることのない親が珍しく行動に出ました.赤キャベツを丸ごと1個買ってきて鍋で煮出し,これは赤キャベツ液だと言うのです.7へぇ.そしてそれをガラスのコップになみなみと注ぎ,酢を持ってきて私にコップに入れてみろと言います.酸性だと何色だったっけ,などと考えながら酢をドボドボ入れると,みるみるうちに紫色が鮮やかな赤に.満へぇなんてものじゃありません.体が硬直しました.変化の急激さと自然色とは思えない赤の鮮やかさ,おかしいでしょ,と.酢の量が多すぎだと親に叱られたようですが,ぽかんとコップを見ていて何も頭に入ってきませんでした.

そして,その日のうちにテキストに載っていたすべての試験薬の色の変化をマスターしました.わかりやすいですが,それだけショックが大きかったようです.実際,私にとって今までやったことのあるどんな実験よりも,この「赤キャベツ液に酢」がいちばん印象に残っています.

この経験から最近の理科実験教室人気に関して思うことがあります.
ですがそれはまた次の機会に….
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2006年03月27日

「学習開始時の指示行動」チェックリスト

指示行動という言葉があります.「指示を正確に聞き取り,状況判断をして適切に行動する」ことです.小学校受験では直接評価の対象になるものですが,中学受験においては普段の学習で指示行動がきちんと取れるかどうかがジワジワと学習効果に影響してきます.今回は,春期講習で既習範囲の演習中心の授業を担当していて目についた,授業開始時における指示行動のポイント「たかが〜,されど〜」をいくつかリストアップします.うちの子はいつもワンテンポ遅れるという方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか.

【OK】
・学習開始時に頭を勉強モードにさっと切り替えられる.
【NG】
・決められた時間になっても席に着かず,だらだらしている.
・室温,周囲の音,机上の消しかす,椅子の高さがまず気になる.

【OK】
・勉強に必要なテキスト,文具類を自分で把握していてすぐに取り出せる.
・必要のないものは片付けられている.
【NG】
・使用テキストは他の人に確認しないとわからない.
・余計なテキストや小物が机上に出たままになっている.
・「かばんに入れたはずなのにない」ことがよくある.

【OK】
・「○ページの○番から○番までをやりなさい」という指示を一回で聞き取れる.
・該当ページをパラパラッと素早く開ける.
・問題量が多い場合はメモを取ったり問題番号に印をつけるといったことを自発的にする.
【NG】
・「○ページの○番から○番までをやりなさい」という指示を聞き取れず,鸚鵡返しをする.
・該当ページを開くのに30秒かかる.
・その間に問題番号を忘れてしまう.

本来低学年の子の親御さんに喚起することばかりですが,では高学年においては全員定着しているのかというと全くそんなことはないのです.特に最後の「該当ページを開くのにかかる時間」は個人差が大きいポイントです.

最後に…
上に挙げたことは全て習慣的なものであって,注意してすぐに改善されるようなことではありません.あまり神経質になるのも無用な親子バトルの元です.ほどほどにして長い目で見てください.
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2006年03月22日

勉強が「好き」なのはなぜ?

勉強ってつらいもの?面白いもの? の続き

前回の最後に,つまらない勉強でも自信をつければわかる・できるから好きというレベルには上げていけるかもしれないと書きました.今回はこのもってまわった言い方についての説明です.

大人でも子どもでも,算数が「好き」というのには2種類あります.それは,

・算数の学習内容が好き
・算数がわかる,できる,得意だから好き

です.

前者ならさしあたり問題はないのですが,後者はたまにやっかいです.少し調子が悪くなったり敷居の高めな単元になるとすぐできないから嫌い!ということになりかねないからです.今の子どもは以前に比べるとやはりキレやすい傾向がありますから余計にそんなことが多い気がします.

教える側にすれば,「算数が好き!」という言葉に安心せずに「好き」のレベルがどの程度のものか気をつけたいところです.

最後に私の知っている生徒の例を1つ.
その子は新小6.コンスタントに勉強していて塾内テストではそこそこ上位ですが,自ら進んで行きたい学校があるわけでもなく,「勉強は好きでやってるわけじゃない」と公言しています.
このことを聞いたとき,私は正直偉いなあと思ってしまいました.成績がいいことが一つの支えにはなっているのでしょうが,好きでもないことをきちんと継続できる態度は大人だなと.私が小6の頃は嫌いなものは嫌いなままで終わっていた気がしますから….
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2006年03月21日

勉強ってつらいもの?楽しいもの?

教育系のブログを散策していると,勉強は一般的・本来的につらいものだという意見と楽しいものだという意見の両方を目にします.

勉強はつらいもの(ネガティブ路線):
・勉強より遊ぶほうが楽しいに決まっている.
・勉強は子どもの仕事,やるしかない.
・どうせやらなければならないならきちんと勉強して成績も良い方が子どもも気分がいい.
・本来つらいものをできるだけ楽しく思わせるのが講師の役目.

勉強は楽しいもの(ポジティブ路線):
・誰にでも知識欲はある.
・子どもでもそれぞれの教科の面白さを理解することができる.
・勉強をつまらないと思ってしまうのは指導が悪い.子どもも可哀想.
・勉強本来の面白さに子供が気づくよう誘導するのが講師の役目.

こんなところでしょうか.(追加があればコメントお願いします.)
このスタンスの違いは,講師の子どもへの勉強のさせ方や授業の仕方にだいぶ反映される重要なポイントであるような気がします.

さて,当の私は…どちらにも違和感があります.

現実として,勉強はつまらない・面倒だ・疲れるという子どもは多く,一部の教科だけでも面白い・楽しいという子どもは少数派です.
だからといって勉強がつまらないのは仕方がない,勉強の面白さは子どもにはわからないと変な割り切り方をするのは妙なことだと思います.私は子どもの頃から算数が面白いと思ってきましたから.
しかし一方で,社会の地理分野などはいまだに面白いとは思えないところからすると,勉強の面白さを啓蒙しようというのもなんだか気に食わない話です.

結局のところ,子どもの面白いものは面白い,つまらないものはつまらないという感覚を認めた上で何ができるかという問題だと思います.もちろん面白いと思ってもらうことが最善ではありますが,つまらない勉強や教科に対して少し自信がつけば,わかる・できるから好きというレベルには上げていけるかもしれません.
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2006年03月11日

情報化社会の中で事実を捕まえるということ

「感情を定義する言葉は,非常に漠然としている.その種の言葉の使用は避け,物象や人間や自分自身の描写,つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうがよい.」

十年ほど前だったと思いますがベストセラーになったアゴタ・クリストフ「悪童日記」の一節です.親が買ってきたこの本を初めて読んだとき,私にはまだその狂気じみた世界を理解するだけの力はありませんでした.しかしある章の最後にあるこのくだりが,私に多大な影響を与えたことは確かです.

その最たるものが新聞の読み方.私は新聞を毎日読んでいますが,一方で話3割ぐらいにしか読みません.一通り全ての紙面に目を通してはいますが,入ってくる情報の7割はフィルタリングされて消えます.私が新聞に求めるのは事実だけで,そのように読むとどうしてもそうなってしまうのです.

事実か否かと言われれば事実に分類されそうな事柄に関しても,安心はできません.例えば,今新聞に載るような大抵の統計データは,私にしてみると信用できないものが多いです.以前少し統計学を齧っていたこともあり,統計は一見ニュートラルなものに見えますが,それだけにこれほど人をだますのに便利なツールはないと感じているからです.インターネットの世界には,それ以上にトラップがあります.私が情報教育の中で与えられたインターネットに関する最初の課題は,あるテーマに関してインターネットを検索して調べ,「なぜその情報が正しいと判断したのか」についてレポートするものでした.ネット社会の入り口でいい教育を受けられたものだと今になって思います.

中学受験に関しても同じことが言えます.以前に比べて情報だけは大量に流れていますが(このblogもそのうちの1つです),その波に惑わされることなく,どれだけが信用するに足るものなのかの判断をつけ,本当に価値のあるものをつかむことが肝要です.中学受験関係のサイトをあちこち見ていると,情報戦というわけではありませんが,親御さんにとってはそれに近い状況ではあるのかなと思います.

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少し前に急に高熱が出たと書きましたが,その影響が喉にだけまだ残っています.私はもともと体は強いほうなのですが,子どもの頃にかかった肺炎のせいで気管系統だけは弱めなのです.今日は一日重い咳が止まらずゴホゴホいいながら,やけにハスキーな声で授業をしました.そういえば,この間は生徒たちの前で話しているときに急に痰が絡んで声が出なくなったりということもありました.話すのが仕事ですから,体調管理には気をつけなければいけませんね(反省).
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2006年03月10日

「教えない指導」は大切,でも難しい

懇切丁寧に教えることが思考力の伸びを阻害する.こんな当たり前のことに従うのが難しいと思うことがあります.

私は中学受験の勉強をしていた頃,四谷大塚の今でいうテストコースに所属していました.日曜日テストを受けに校舎にいく以外は専ら家で自学習をしていたわけです.親は私の勉強の管理はしても,直接勉強を教えてくれることはありませんでした.私はわからない問題があっても自分で考えるしかなかったのです.どうしてもわからない場合には,親には決まって3日間考えるようにいわれました.私の勉強は毎日必ず4教科ともやるようなスケジュールになっていたので,わからない問題はその日と次の日とさらに次の日,計3回考えることになります.それでもわからないとなると,親は解説を見ろといいます.解説といったってほとんど式だけ,読んだだけでわかるものではありません.なぜそんな式になるのか,解説を解読するかのようにゴールから考えなければなりません.それでもわからなければ日曜日に知っている先生に聞いて来いと親に言われていましたが,実際に質問を持っていった記憶はないのでおそらく解説の解読の段階でほとんどわからない問題は解消されていたのだと思います.

私は算数が一番の得意科目でしたが,こうしてまさに「教えてもらえない」勉強の仕方をする中で思考力がついたのだと思っています.教えてもらえなかったというよりは教えてもらう相手がいなかったのですが,この自分の経験から,私は「教えないこと」の大切さはよく知っているつもりです.

しかし,塾で教えていると「教えない」指導の難しさをつくづく感じます.実際問題として,私が知っている生徒には教えない指導に耐えられないケースがとても多いのです.(都市部だから?地方で教えたことがないのでわかりません)子どもがすぐキレるようになったといわれて久しいですが,勉強においてもわからないという不快さへの耐性が低くなっていると感じます.わからない状態を我慢できない子どもは,自分の力でそれを解決する喜びを知りません.問題が「わかる」状態と「わからない」状態が著しく乖離しているということもいえます.つまり,問題を解いていて簡単にわかるものともうお手上げなものの二極にはっきり分かれるのです.途中まで,わかるところまででもやってみよう,粘ってみようという意欲に欠けており,答えが出ない問題をいつまで考えていても無駄,一から教えてもらったほうがはやい,更にはそのために塾の先生がいるんだという感覚が普通になっているようです.(親子ともにそんな考えに凝り固まっているたちの悪いケースもあります.)

もちろんそんな子どもばかりではなく,同い年でもチャレンジ精神旺盛な子どももちゃんといます.それだけに尚更,諦めのよすぎる子どもたちを見ているとこの取り組み方の違いの分岐点がどこにあったのだろうかと考えることがあります.今まで何でも与えられる生活をしてきたんだろうかなどと....かといって過去は変えられませんから,受験に向けてこれからどうするべきなのかを考えなければなりません.考えるというのは,「何も教えないこと」がベストであることは確かですが,それはあくまで理想であり,中学受験塾の役割である限られた時間の中で志望校に合格させることと合致するとは限らないからです.簡単に言ってしまえば,受験までに軌道修正が間に合わないことが多そうだということです.ああ,多そうだというのが本当なのか私の一方的な諦めなのかも定かではありません.しかし,塾の受験までの逆算カリキュラムの枠の中で何が最善になるのかなかなか判断がつきないのが今の私です.自分の未熟さを感じるたくさんの瞬間のうちのひとつです.
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2006年02月06日

2006年度中学入試問題に関する所見

今年もあっという間に入試期間が終わろうとしています.私の塾では今日から新学期,また1年後に向けての戦いが始まります.ですが,その前に入試期間内に私が解いた20校余りの入試問題から感じたことを記しておきます.

難易度でいうと,上位難関校では易化したところが多いようです.私が解いた範囲では開成・武蔵・栄光・聖光・浅野.来年は反動がくるでしょう.こんな傾向,続いていいわけがありません.

内容的には…以前にも述べたと思いますが,入試問題には毎年流行があります.各学校が独自に作問しているはずなのに,なぜか似たような設定の問題がいくつもの学校で同時に出題されたりするんですね.特に今年はトレンドがはっきりしていたと思います.分野だけでいうなら,多かったのは立体図形と数の性質.少なかったのは速さと場合の数.その典型が逗子開成です.もともと図形と数の性質に重きをおく学校ですが,1次試験ではほとんどこの2分野からしか出題されませんでした.

もう少し詳しくいえば,立体図形ではなんといっても切断です.数年前までは難関校での応用問題(複数回切断するなど)以外はあまり見かけなかったタイプの問題ですが,灘で出題されてあれれと思っているうちに首都圏でも開成を筆頭に大フィーバーしました.数の性質ではN進数が台頭.基本的な問題であれば,中堅校で目にしても珍しくはなくなってきました.どちらも,難関校でのトレンドが下りてきた,つまり難関校での出題を受けて中堅校が追随した流れに見えます.

速さについては,なぜ減ったのかいまいち思い当たるところがありません.不思議です.場合の数はどちらかというと表面上は減少しているように見えるだけかと思います.きちんと機械的に書き出して調べる力を試す意図の問題はむしろ増えてきていますが,数字カードを並べ替える問題などでダイレクトに問うのではなく,他の分野の大問の中の小問として出題されるなど,問い方が多様になってきているということです.これも開成・麻布・桜蔭などで頻出の複数解答を求める=答えが1つとは限らない問題の流れを受けているといえるかもしれません.
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2006年02月02日

中学受験生の栄養ドリンク剤の服用

2日目−近年の中学入試は即日発表を行う学校も多いですね.私の関わる範囲でも昨日の夜から結果が出てきています.まだ1日終わったばかり,勝負はこれからというところですが,早ければすでに受験終了しましたという子もいるでしょう.いささか気が早いですが,今回は受験終了後の話です.

入試直前期から,体調維持のためお子さんに栄養ドリンク剤を飲ませている親御さんは多いと思います.最近は子ども用の商品が多く出ていますね.子ども用についてはよく知らないのですが,今まで大人用を飲んで頑張ってきたような場合は,受験終了後は即飲むのをやめさせてください.

大人用と子ども用の最も大きな違いは,大人用にはアルコールとカフェインが入っていることです.と言えば大体想像がつくと思いますが,子どものうちは特に放っておくと習慣依存に陥りやすいです.ドリンク剤を飲んだからといって体力が上がるわけではなく,疲れを感じないまま無理をすることができるだけであって,そんな状況が続けば徐々に体力は減退していくということを理解させることが必要です.頻繁に疲労を訴えるような場合は睡眠と運動を十分とらせ,体力が本人の自覚に追いついてくるのを待ちましょう.だらだらと服用を続けるのを許すと無意識に体力の限界をわきまえない生活をする癖がついてしまう危険があります.これも新しい生活に向けての環境づくりのうちです.
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2006年02月01日

中学入試がやってきた!

2月1日になりました.いよいよ2006年の中学入試が始まります.

昨日,私の塾では生徒は自宅で安静にすることになっていました.したがって私が生徒と接触したのは電話とFAXでの質問対応のみ.電話ごしに生徒の不安や緊張が伝わってきました.そういった気持ちは志望校をどれだけ真剣に思っているかの証です.眠れなかろうが,熱が出ようが関係ありません.その思いの全てを3時間ほどの試験にぶつけてきてほしい!逆に,親御さんには嘘でもどっしり構えていてほしいと思います.精神的に幼く親への依存が強い子どもほど,親(特に母親)の動揺にすぐに感づき,ダイレクトに受けとめてしまうからです.

今日はK中学校の門前に応援に行きます.一昨日の天気予報では雨ということで生徒たちにちゃんと会えるか心配でしたが,何とかなりそうでよかったです.5時半には起きなければいけないので,食事をしながら新聞を読んでいて目についた言葉を取りあげて今日は終わりにしようと思います.

自分に合う仕事というのは「選ぶ」のではなく、仕事に「選ばれる」ものだと思っています. −高橋和

さて,自分と中学受験の仕事の関係とは….

6時20分追記:天気,どうにかなりませんでした(泣).では気合いを入れて応援行ってきます!
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2006年01月25日

中学受験にまつわる悲しい思い出話

部屋の隅から,私が中学受験したときの合格発表の写真が出てきました.ともにその学校を第一志望にしていた私と友達が笑顔で写っています.2人で飛び跳ねて喜んでいたら雑誌が取材に来たっけ….お互いの家が遠かったので入学式で会おうねと約束していたのに,当日その子は現れずそれっきりになりました.経済的な理由で滑り止めにしていた国立の中学校に進学したとのこと.その子のお母さんは子どもが頑張っているのを見て,実は第一志望校には進学させられないとはどうしても言えないまま受験させたそうです.

最近はよく昔のことを思い出します.私が見ている受験生の中に,私が中学受験をしたことを知っていてちょくちょく体験談を聞き出しにくる子がいるからです.受験直前期に毎日掲示板の前で喜ぶ自分を想像していたこと,いざ発表に向かう途中で頭が痛くなり電車から降りたくないと言ったこと,第二志望校で大失敗をしたこと,受験終了後の友達との悲喜交々….嬉しい思い出も多いですが,決してそんなことばかりではありません.昔も今もいちばん心中複雑なのが上の話です.もっとも,昔と今で思うところは全く違いますが.自分の行きたい学校を(当然親という最大のバイアスはかかった上で)選ぶことができ,挑戦する機会を与えられ,合格すれば実際に進学できるというのは,自分も含めてとても幸せなことです.今年の受験生たちにはまだあまり実感を伴わない話かもしれませんが.
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2006年01月23日

中学入試まであと9日:直前の算数学習法

21・22日と実施されたセンター試験では,1日目の雪やリスニングのトラブル多発と大変だったようですね.毎年新聞に掲載される問題を見て解こうかなとは思うのですが,結局手をつけたためしがありません.問題と名の付くものを見ると反射的に解かねばという気になってしまう癖がついているような気がします(笑).中学入試は平穏に行われることを祈ります.今回は入試当日まで1点でも伸ばすための総まとめ的な学習方法についてです.

何はなくともまず計算!当たり前ですが算数は計算に始まり計算に終わるのですから,少しでも不安のある場合はもう毎日解くしかありません.答えのみを書かせる学校は,どんなに正しく考えていようと一箇所計算ミスをすればアウトなんだという意識を持たせることが大事です.
どんな子でも計算ミスにはある程度傾向があります.仮分数を帯分数に直す際に間違える,逆算で特定のパターンを間違える,分数の乗除で約分後に答えを書くのを間違えるなど.中には繰り下がりを忘れやすいなんて子もいます.なかなかミスが減らない場合には具体的にどこでまちがえているのかデバッグし,子どもに意識付けをすると改善しやすいでしょう.
また,算数エンジンがかかるのが遅い子は要注意です.普段から算数の勉強を始めるとはじめ30分くらいはどうも調子が出ない,ケアレスミスをしやすいというような場合です.朝早い時間に計算をさせるといいでしょう.試験日の朝だけそんなことをしても緊張を誘発するでしょうから,今から毎日決まった時間にやっておくとよいです.ウォーミングアップと心得てミスが多めでも叱らないこと.

計算以外に関しては,基本的には解いたことのある問題だけで十分です.教材でいうと今まで使ってきたテキストと過去問.今解けない=分からない問題を解けるようになる必要はありません.解法を覚えてしまってその1問は解けるようになるかもしれませんが,同じ難易度の初見の問題を解く力がつくことは期待できません.むしろ,解けるはずなのにミスをするケースを減らす方がはるかに簡単で効果があります.同じような実力の子ばかりで1点を争う入試では,そういった点の落とし方がいかに少ないかで勝負が決まるからです.難関校を狙う子でも,意外に例題レベルで間違える,理解しているつもりで妙な勘違いをしていたことが発覚することはよくあります.そういった場合には,簡単な問題で失点するのをまた1つ防げたとポジティブに考え,また考えさせることが大切です.勉強するのも受験するのも12歳の子どもですから,周囲の仕事はとにかくメンタル面で盛り上げてやることです.すると,子どもはこれまでなかったような頑張りを見せてくれるものです.
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2006年01月21日

中学受験で不正行為にならない一工夫

ばれないカンニング法ではありません.
メンタル面で揺れやすい12歳の受験ですから,あまり小賢しいことにこだわるより自然体が一番なのも確かです.おまじない程度の位置づけで,軽く軽く.

1) 消しゴムを代表的な立体に切っておく
円柱,三角錐,正四面体など.消しゴムがもったいないなどとは言ってられませんね.私が中学受験をしたとき,ある噂がまことしやかに流れていました.曰く,「難関校(開成だったかな?)で四角錐に光源から光を当てたときにできる影についての問題が出た.ある受験生が影がどんな図形になるのかわからなかったが,偶然窓際の席だったので机の上に置いた四角錐の形をした消しゴムに日光があたって影ができた.その受験生は見事合格した!」今思えば何だかなという感じですが,とりあえず私も切り刻まれた消しゴムを何個か持っていきました。別に役にはたちませんでしたが(笑).意外に立方体の消しゴムは役に立つかもしれません.さいころを転がす問題、立方体の切断などで.

2) 禁止されていなければ,問題は折っても切っても構わない
問題用紙を折るのを禁止している学校はそうはないでしょうが,切るのを禁止している学校は少なからず存在するので危険といえば危険かもしれません.問題用紙の注意事項を隅々まで読んで許容されているのか確かめる必要があります.

3) 時計はデジタル?アナログ?
必ずアナログというのが以前は常識でした.もう過去形にしてもいいかもしれません.中学入試問題の世界でも時流はおおいにあり,最近はもう時計を回せばわかるような単純な時計算を出す学校はそう多くはありません.難関校では,狂った時計・変則的な時計(文字が12までではなかったり、針が反時計回りだったり)と言った捻った問題が出やすいでしょう.かえってデジタル数字に関する問題が増えてきたというのもあるので微妙なところです.両方持っていけば万全なのかな.もっとも,私に言わせれば普段から腕時計はアナログを買い与えておいてほしいです.
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2006年01月12日

事前面接

今週末に第一志望校の事前面接がある子の過去問演習を見てきました.絵に描いたような落ち着きのなさ.普段は解けるような問題が解けません.一度動揺するとなかなか自己制御のきかない子なので,今日は精神面の安定を考えて躓きそうな問題は回避し,週明けまでの宿題も易しめの問題ばかりを指定することにしました.授業終了後も,面接官の先生が怖くないか,どう返事すれば印象がいいのかと矢継ぎ早に聞いてきます.もう何度も練習したでしょうに.アドバイスをしながら,この子は事前面接で良かったなとつくづく思いました.面接は基本的には落とすための試験ではないですから,本人が思うほど悪い感触にはならないでしょう.これで場慣れしてきてくれれば,そして2月の試験で実力を発揮できるようにもっていければいいと思います.

本格的にいよいよだなあという気がしています.昨年の入試数日前に不安で泣き出した子,その親との電話のやりとりなどの記憶が甦ってきました.あと20日・・・.
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2006年01月03日

アンチ試行錯誤な子どもたち

私は算数の問題を解くとき,ぱっと見で解法がつかめなくてもとりあえず何かやってみます.問題文の内容を図や表にかいてみる,1つ例をあげてみる,直感で補助線を引いてみる,などなど.当たり前ですが問題は他者の言語によって与えられるわけで,それを自分の言語(あるいは言語以前のものであることも多いでしょう)に翻訳し自分の側に引きつけるという作業が突破口を探す上での第一歩になります.これができる子どもとできない子どもの差は大きいですが,やってみる子どもとやってもみない子どもの差はさらに歴然としています.今回はその最後のカテゴリに含まれる子どもたちの話です.

とりあえず何かをしてみることをしない子どもはすぐに見分けがつきます.何しろ問題文を読んでいる時間が極端に短いから.算数ができる子ほど,たとえ2,3行の問題文であっても何度も読み返しているものです.きちんと統計を取ったことはないですが,算数のテストの成績と問題文を読んでいる正味時間の間には割と強い相関関係が見られるのではないかと思っています.

そしてそれ以上にわかりやすいのが「ノート潔癖症」です.問題を解かせてみると,問題番号を書き,式を書き,計算をし,まではいいのですがなぜか常に消しゴムを握りしめていていちいち計算を消す子どもたち.間違いを指摘されると全て消し,ノートをテキストの模範解答を丸写ししたかのような状態に仕立て,丁寧にもそれに赤丸を自分でつけるような子どももいます.計算や間違いをなんで消すの?と聞くと,「ノートがもったいない」「ノートが汚いのがいやだ」という答えが返ってきます.

「もったいない」→消しゴムがもったいないという発想には決してならないわけです.私が子どものころは紙(基本的に自学習だったためノートはほとんど使わず故紙に書いていました)はむしろたくさん使ったほうが勉強したという気になれてよかったものですが.1問解く間に何度も消すことに時間を使い,そのたびに思考が途切れることによる損失ははかりしれません.実際上位には思いついたはしからどんどん書いていく子,消しゴムを使わずぐしゃぐしゃっとシャーペンで消しておく子が多いようです.

「汚い」→筆算も式と同じように丁寧に書けばまったく汚くないんですけどね.むしろどこを間違えたか見直すためには筆算を残しておくことは必須です.でも「見直し」の習慣がついていない,見直すように言われると眺めて終わりにする子にとっては邪魔でしかないのかもしれません.また,間違い=汚いという発想は非常にわかりやすいです.失敗は忌避するべきものと認識しているわけですね.

試行錯誤は英語でtrial and error.trialありきのerror, failureありきのsuccessであることは自明ですが,しかしerrorをなんとしてでも避けたいためにtrialも避けるという構図がよく見られるのが実態です.例えば,場合の数の問題で樹形図をかくとき,ノート潔癖症の子どもは規則正しく樹形図をかくことができません.何ヶ所か書き間違えると,そして枝が膨らんできて見た目が汚くなるともういやになり,わからない先生かいてよ写すから,となります(もちろんそこでただで模範解答を与えたりするほど私は親切ではありませんが).わかる・わからないというレベルの話ではありません.教えられたことを忠実にこなす指示行動がとれるような態勢が整っていないということです.これは,一般に学習といわれるものの根幹に関わる問題です.「学ぶ」の語源は「真似ぶ」−他者の行為をその通り自分でやってみることですから.実際,首都圏には「丁寧に全ての場合を書き出す能力の有無を入試で問う」ことを事前に公言している中学校がいくつかあります.入学後も伸びていける生徒が欲しいんだろうなと推測します.

半分余談ですが,泥臭い勉強の仕方ができない,というのもあります.私が中学受験生だった頃,四谷大塚の5,6年用の教材をひたすらまわすのが私も含めて平均的な四谷生だったと思います.広くバイブル的な扱いを受けていた問題集もありました.これと決めた問題集や過去問をまわし、マスターするのは大学受験や資格試験の勉強法としてもメジャーです.しかし今では,「前にやった問題をまたやってもしょうがない」と正面きっていう子どもの多さに驚きます.何がどうしょうがないのか,その先を語る子どもは滅多にいませんが.一度やったものはできるから?どうせできないから?

新年早々いささか愚痴めいていますが,これらの問題に関して私は子どもたちを責める気は全くありません.責任の大部分は教える側にあると考えます.よく「小さな成功体験の積み重ね」が大事だといいます.私も初めて塾講師になったとき,面接兼研修(苦笑)で最初に言われました.もちろん異存はありません.しかし,実態はどうでしょう?上述のような子どもたちから見えてくるのは「小さな"失敗"体験の積み重ね」であるように思えます.9の失敗の上に1の成功があることを,その価値の大きさを信じることができるなら,ノートの見た目など気にも留めずに目の前の問題に挑戦するでしょうから.しかし,それを信じることができないのは,子どもたち以前に講師側なのかもしれません.カリキュラムに追われ,妙な諦めの良さも手伝い,子どもたちが9も失敗するのを見守っていられないということは多いと思います.サッカーの試合を見ているとよく解説者が「攻撃はシュートで終わることが大事」と言っていますね.相手にボールを奪われるよりもシュートによって流れを切れば切り替えることができるし,心理的にもよいということです.我々はどれだけ子どもにシュートを打たせることができているでしょうか?子どもからボールを奪う側に回るようなことをしていないでしょうか?私にも反省材料はいくらでもあります.

東京・神奈川の中学入試解禁日である2月1日まであと29日.もうあと29日しかない,まだ29日ある.「もうはまだなり,まだはもうなり」というのは株式投資における有名な格言です.誰にも正確に予測することのできない相場の難しさと,人気や場の雰囲気に流されることに対する戒めを表しています.中学受験も似たようなものでしょう.ただし株と異なるのは,どんな子どもにも大人には想像もできない成長力があり,外からのちょっとした働きかけによっていくらでも良くも悪くもなりうるということです.私が関わっている受験生たちにできる限りのことをして送り出したいと思います.
posted by カイト at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 中学受験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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