2006年05月17日

流行の最先端に追いつくための算数問題集

中学受験算数にも"上意下達"

中学への算数の6月増刊号「06年入試精選 わくわく算数100題」が今日発売になりました.
06年入試精選 わくわく算数100題(予約商品)

難関校をめざすなら是非触れておきたい問題ばかり100問が丁寧な解説とともに載っています.問題は全て2006年の入試問題から選ばれたものです.解説はたまに少し遠回りな解法で解いている場合もありますが,これをデメリットとは思わず,エレガントな別解を見つけたら是非中学への算数本誌に投稿してみましょう.

わくわく算数100題を私がお勧めするのは,これが"流行"の最先端にいるからです.

中学入試の算数は地味に見えても,実は流行り廃りの激しい世界です.この流行には2種類あります.

1つは,毎年発生する大流行.
それぞれの学校が独自に入試問題を作っているはずなのに,なぜか難関校から中堅校までが同時に同じような種類の問題を出題するということがあります.もちろんその数年前からある程度の前兆はあっての大流行です.
今年のわくわく算数の立体図形の章では17問中の半数近くが立体の切断に関連した問題になっていますが,これはこの種類の流行にのったものです.

そしてもう1つが,数年がかりの上意下達.
よく言われるように,偏差値の高いトップ校ではしばしば見たこともないような新しいアイデアの問題が出題されます.そのような問題は最初にトップ校で出題されてから,数年間かけて様々な亜流を生みながらより偏差値の低い学校へと浸透していきます.そして10年もたつとすっかり必修問題になってしまうこともあります.

新しいタイプの問題に遭遇したときに要求される,問題の条件を整理して自分で考えを進める力については算数とパズルにみる条件整理力で書きました.特に難関校を狙う場合には,最も新しい種類の問題に触れ,初見でじっくり考えることがこの力を伸ばすいい機会になりますし,入試本番で全く知らない問題に出会うリスクを減らすことにもなります.

しかし,市販の算数問題集では(ひょっとしたら塾の教材でも!)この最新の流行には追いついていないことが往々にしてあります.わくわく算数や中学への算数本誌はその部分を補完するものとして非常に有効です.


では,この「流行に追いついているかどうか」を基準に他の難関校向けの市販問題集を見てみます.

・旺文社 中学入試でる順難関校突破の算数
中学入試でる順難関校突破の算数

初版は2004年3月.ここ数年間の新傾向−立体の切断,あみだくじ,動く歩道といった問題を押さえることに主眼を置いた問題集です.新傾向といっても取り組みやすい問題から難問までがそろえられ,解説も図が多くて丁寧です.1問1問じっくりと考え,わからなくても自分で解説を読んで理解するという使い方に適しています.強いて欠点を挙げると,流行を追いかけた結果,単元的には偏りができていること,問題数が少なめなこと.

数年後には,最新の流行を追うという意味ではおそらく時代遅れになってしまうでしょう.しかし,問題のパターンごとに章が分けられているので編集側にとっては改訂は比較的入れやすいはずです.旺文社の心意気に期待.

・文英堂 中学入試最高水準問題集算数(量と測定・図形)&(数・数量関係・文章題)
中学入試最高水準問題集算数(量と測定・図形) 中学入試最高水準問題集算数(数・数量関係・文章題)

初版は2005年3月.旧最高水準問題集(初版は1996年1月)に大改訂が入り,2分冊になりました.問題は新しいものに差し替えられ,上の難関校突破の算数に収録されている問題がこちらにも入っています.幅広い種類の問題をカバーしようという趣旨の問題集ですので1つの種類の問題を何題も演習するというのは期待できません.全体が大きく単元別に分けられた構成で,問題は難易度には比較的無頓着に並べられています.解説も丁寧です.

あと数年間は,流行に追いついているという要素と色々な問題を網羅しているという要素を併せ持ったいい問題集と言えるでしょう.しかしその後は….次の改訂はおそらく2015年あたりになる気がします.

・東京出版 算数/日日のチャレンジ演習
算数/日日のチャレンジ演習

問題の考え方,方針で分類しているのが特徴です.

初版は1993年9月.とにかく古いのは否めません.今となってはもうとても出題されそうにない問題も多くあります.とは言っても,だからダメだというわけではありません.

古い問題は,つまらない問題だから淘汰されたわけでは決してないんですね.単にいつのまにか出題されなくなってしまっただけだったりするものも多いです.この問題集は,そんな忘れられた良問の楽園です.思考力を鍛えるという意味では,良問はいくら古くても何も無駄になるものはありません.それがこの問題集が難易度,問題,問題量,解説とも定評があり,支持され続けている理由でしょう.私としては,1冊ぐらいこんな問題集が残り続けてもいいな,いや残り続けてほしいと思います.


算数の問題集を選ぶのに,普通初版の年月などチェックしないと思います.ですので,今回はあえて注目してみました.何かの参考になれば幸いです.
posted by カイト at 21:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 算数 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ひょえ〜!
すっごい分かりやすい書評をありがとう。
早速わくわくを買ってみます。
表紙の写真がついてるのも、いいな。
おっと、遅起きしてしまった。
お休みなさい・・・。
Posted by よっちゃん at 2006年05月18日 01:06
こちらも早速わくわくを買ってきました☆
1日2題ずつで、7月中に終わらせよっと♪

あ、ついでに久しぶりにナンプレ(数独)とカックロを買って来てしまった。。
Posted by 深青 at 2006年05月18日 19:18
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